現在、不妊治療を行っている方は多いのではないかと思います。
私自身、結婚してからすぐに子どもを授からず、不妊治療専門クリニックに通っていた時期があります。
私の親友・親族・職場の仲間も不妊に悩んでいたし、現代の女性の大きなテーマでもあると思うので、私の経験を踏まえて、今回は妊娠に必要であると私が思うことをお話していきたいと思います。
私は約1年ほど不定期で不妊治療のクリニックに通っていました。
ちょうど企業に勤めていたのですが、業務内容が新しい分野であり一人で何とかしていかなければならなかったこと、社内で私の苦手とする英語でのコミュニケーションが必須とされていたこと等が私にはとてもストレスで。。生理が止まってしまったのです。
それに加え、不妊治療の一番最初に行うタイミング法の検査の際、子宮内のエンドトキシン濃度が高く妊娠しずらいとの指摘を受け、抗生剤の治療を2回実施。
不妊治療のステップさえ踏めない状況でした。
「不妊治療を進めたいと思っても、私の場合、それ以前の問題だ。。」
絶望感で不妊治療を辞めよう、そう思ったのでした。
それでも過去に栄養の勉強の中で『不妊は栄養不足』と、不妊に至るメカニズムを学んでいたため、体質改善の食事療法とサプリメント摂取は続けていました。
そして生理が完全に止まって3〜4か月ほど経っていた頃、自然妊娠したのです。
妊娠が分かった時はとても信じられませんでした。
生理が止まっていたのに、一番忙しい時期でストレスフルだったのに、妊娠できたのは何でだろう?『妊娠は奇跡』とも言われるけれど、私の場合は一般的に言われる妊娠に必要な条件すら満たせていなかったので、正に奇跡でした。
思い当たるのは、やはり『栄養を満たす』ことを心がけて、地道に栄養療法を継続していたことだけです。
ここで私が妊娠前から実践していた『栄養を満たす』方法をお話していこうと思います。
それは “分子栄養学” または “オーソモレキュラー” と言われますが、その理論に関しては別テーマ『病気を根本から治すために-分子栄養学の理論と私の考え- 』をご参照ください。
分子栄養学では、不妊は主にタンパク質と脂質、ビタミン・ミネラルの不足から生じるとされています。女性の卵子も男性の精子もこれらの要素から成り立っており、その要素が不足することで生理不順が起きたり、精子が作られなくなるからです。
以下が私が実践したことです。
①高タンパク食にする ( プロテインも併せて )
②糖質を抑える
③ビタミン・ミネラルのサプリメントを活用する
①の高タンパク食にする必要は先ほどもお話したよう、卵子も精子もタンパク質をもとに構成されているからです。
卵をはじめとして、お肉をたくさん食べるようにしていました。
卵はタンパクを評価するプロテインスコアにおいて、食品の中で 唯一満点 (100点中100点) であり “完全栄養食” と言われるほどなので、アレルギーをお持ちでなければ積極的に食べていただきたいです。
また、プロテインを推奨する理由は、食事でタンパク質を摂っていても “ 改善・治療” するには普通に食べている分では全く足りていないためです。
プロテインというと
人工的なもの
体を鍛えている・ダイエットしている人が飲むもの
運動しない人が飲むと太る
などと言われ敬遠されがちですが、実はそうではありません。
プロテインは牛乳や植物性のタンパク質を原料としており、その原料を濾過して水分と脂肪分を取り除いて作られたものです。
分子栄養学を提唱した物理学者の三石巌先生はプロテインを『人類の英知の結晶』と位置づけています。
②の糖質を抑える必要性があるのは、過剰な糖質摂取によってビタミン・ミネラルが大量に消費されてしまうからです。
もちろん糖質も必要な栄養素ですが、現代の食事では美味しさを求めるあまり、自然と糖質が過剰になってしまっています。
ビタミン・ミネラルを損失しないために、糖質は意識して抑えめにする必要があるのです。
③のビタミン・ミネラルをサプリメントで補う必要があるのは、食事では必要量が補いきれないからです。
体質の改善・治療には十分なタンパクとビタミン・ミネラルが必要ですが、現代は食材が品種改良されたり農薬がすごく使われているため、昔ほど食材の持つ栄養が無くなっていることも理由の一つです。食材に含まれるビタミン・ミネラルは昔よりも乏しく、サプリメントの含有量は格段に違います。
生殖機能を改善していくビタミンとしてはビタミンD、Eが有効とされており、どちらも脂溶性ビタミン=脂質です。
ビタミンEは「子宝ビタミン」とも言われるほどで、強い抗酸化力を有し、体内の脂質の酸化を防いでくれます。
また、ビタミンDは血中濃度を高めることで子宮内膜の環境を整えて妊娠率を高めることが分かってきました。
この他、重要なミネラルとして鉄があります。
鉄はタンパク質とともにエネルギー産生に大きく関わっており、女性は生理で毎月失ってしまっているため、サプリメントで補うことは必須であると私は思います。
普通の食事をしているだけでは全く足りなくなってしまう。
海外ではその重要性が分かっているため、あえて食品に鉄が添加されているほどなのです。
「サプリメントは効果ない」と思う方もいると思いますが (過去私がそうでした)、それはそもそも自身の腸が栄養吸収が十分にできない状態になっていたり、鉄のサプリメントの吸収経路が種類によって異なっているため吸収率が悪かったり、摂っている量が圧倒的に足りなかったり、タンパク質不足でサプリメントが効きにくくなっていることによるのだと思います。
先ほどお話した三石巌先生は分子栄養学を『個体差の栄養学』としており、必要量も改善するスピードも人によって全く違ってくると仰っています。
私の場合は過去にうつ病を患っていた頃から糖質を抑えめにして高タンパクの食事をしていましたが、プロテインは妊娠する半年前くらいから飲み始めました。
また、
私が今回ご紹介した方法をしなくても妊娠している人はたくさんいるし、こればかりは絶対的なものはないと思っています。
ただ、私自身が栄養療法を続けていたことで自然妊娠しましたし、不妊治療をしていた親戚、友達、職場の知り合いに栄養療法の方法を伝えたところ、親戚と友達は人工受精の1回目で直ぐに妊娠でき、職場の知り合いは2か月ほどで自然妊娠しました。
日本が世界で一番不妊治療が行われているにもかかわらず「いちばん出産できない国」であることを踏まえると、私の周りで栄養療法を取り入れながら不妊治療に取り組んでいたでいた方々が妊娠に至ったという結果は、妊娠する可能性を高めてくれたと言えるのではないでしょうか。
今回はプロテインとサプリメントを活用する重要性をお話ししましたが、もちろん食事が第一であることは言うまでもありません。
プロテインとサプリメントだけで生活している人の話も聞いたことがありますが、結局はアンバランスで不調に陥っています。(←そこまで徹底するのはある意味すごいと思います。。)
不妊は体質的、遺伝的な要因ももちろんあると思います。
身体的な問題だけでなく、環境やストレスも大きな影響となることは確かです。
(病院勤務時代、看護師の友人は不妊で悩んでいましたが、集中治療室勤務を離れた直後に妊娠しました。)
解決のための一つの手段として、お話した内容を参考にしていただけたらと思います。
なお、食事内容はその人のライフスタイルにより工夫が必要であったり、プロテイン・サプリメントの飲み方は注意する点もあるため、詳細なアドバイスを必要とされる方は一度お気軽にご相談ください。(初回30分無料です)